ドライバーレポート【7】

 
平成28年3月某日


 浅草・ビューホテル隣りの「じゃん腹」

 台東区の、ある会社事務所に招かれた。
まるで事務所。本当に、事務所。
こーゆーことは時々ある。
会社の会議室にお酒と乾き物を用意して宴会。
忘年会とか歓送迎会とか社内のイベントの場合もあるし、親しい取引先を招いて接待の場合もる。楽しそう~

こんな依頼は、もちろん、大歓迎。
こーゆーところで裸になっていいのなら、ウチのコンパニオンは喜んで脱いでくれる。
困るのは裸になれないことであって、裸になれればいいのだ。それが仕事だから。
居酒屋やカラオケで店員や隣の客の耳や目を気にしながら全裸になるよりも、ずっと気が楽。別に今さらカラオケや居酒屋の料理を食べたいわけではない。正直言って、ウチのコンパニオンたちは舌が肥えているので(どこかで誰かにおいしいものをごちそうになるくせがついているのだろう)料理など問題でなく、いい仕事ができて、お客様が満足して、延長してくれればいいのだ。
あれっ、その割には屋形船宴会の残った料理とか、喜んで持ち帰るなぁ。。。まぁ、いいか

会社の事務所、と強調したが、正直言って過去には選挙事務所に呼ばれたことだって何回もある。
あ、これ、いっちゃだめだった!?

ビルの前でコンパニオン達を引き渡して、今宵のお楽しみの食事である。
土地勘があるわけでもなく、テキトーに走ってそれらしい店を探すだけのことだが、
都内は駐車に困る。
何とか時間貸しのスペースにでかいクルマを割り込ませて、ようやく準備完了である。



たぶん地元で永く営業していると思われる「ラーメン屋」だ。
看板文字が手書き風で、ユニーク。
「じゃん腹ラーメン」と書かれた看板メニューを注文する。
醤油スープにたっぷりの背脂。
見るからにクドそうで、好き嫌いの分かれそうな商品だが、味はしつこくなく、スープも旨い。
量が少なめで、飲み歩いた最後に立ち寄るのがベストという程度。



国際通り沿いで、浅草ビューホテルの脇の路地を挟んだ角の立地からは、
繁盛していなければとっくに潰れているだろうという状況が理解できる。
店の看板のサブタイトルと思われる「東京豚骨拉麺」の文字は随所で見覚えがあるが、ほとんどが閉店している。
気さくそうな老夫婦が経営していて、常連には家族同様の接し方をする店なのだと思う。

私がラーメンに舌鼓をうっている間にも、わがコンパニオンたちは「事務所」という今夜の舞台で、お客様たちと夢の宴を繰り広げている。。。。。

                                 綾小路 誠

 

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