ドライバーレポート【10】
平成28年3月某日
レインボーブリッジのたもと「お台場」は、今や世界の観光地となった。
巨大な橋を見渡す湾岸沿いは、若い人達の聖地と化し、
外国人観光客(とりわけ中国や韓国)も多く、ところ構わず外国語が飛び交う。
一際眼を引くのは、うら若き女子グループを乗せたリムジンカーだ。
巨大化したダックスフントのような胴長の車体が、何台も闊歩している。
彼女らは、自分への"ご褒美"として、ひと時の贅沢を享受するのだ。
今夜のお招きは、リゾートトラストの東京ベイコート倶楽部。
会員制の超豪華ホテルである。
会員以外は入場出来ないので、電話をかけて外までお出まし頂くことになっている。
しかし、何度電話しても出ない。
呼出音がする前に、留守番電話になるのだ。
まさか、バックレでもなかろうにと更に呼び続けると、ようやく繋がった。
最初から3時間パックだったが、追加で2時間延長である。
最近の3時間パックは、延長なしが通説になっていたが、今夜は嬉しい裏切りであった。
コンパニオン達も沢山の日当をかせいだので、笑顔のご帰宅だ。
お台場の深夜の観覧車は電飾も消えて、朝を迎える準備になっていた。
綾小路 誠